日本ペアレント・メンター研究会 理事
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 研究員
原口 英之

現在、各地域において発達障害支援のさまざまな取り組みが行われ始めています。発達障害のある子どもへの支援、家族への支援、子どもと家族を支援する者への支援、各地域での支援の充実は、その地域に暮らす人たちにとっての願いです。

2005年前後から、ペアレント・メンターの養成・活動の仕組み作りがいくつかの地域で少しずつ始まりました。もともとはこれまで長く続いてきた親同士の支え合い(親の会活動など)をよりよいものとするための仕組み作りという意味合いがありました。お子さんも親御さんも一人一人違いますので、他者を尊重し理解し支援するためには、お互いに意識することや工夫することが必要であり、親御さんにそのための知識やスキルを学んでいただく研修が求められるようになったためです。近年では、行政、専門家・支援者、当事者が協力して地域の仕組みを作っていくことがますます求められるようになってきており、ペアレント・メンターに期待される役割も大きくなってきています。

ペアレント・メンターの養成・活動が始まって10年が経過したいま、ペアレント・メンターという言葉は社会に拡がってきており、ペアレント・メンターによる活動がさまざまな地域で確実に実を結び始めています。ですが、忘れてはならないことは、ペアレント・メンターである方が同じような立場の親御さんを支えることを期待するのではなく、ペアレント・メンターである方たちも支えられる、そのような仕組み作りが必要であるということです。

「親同士の支え合い」を支える、という原点を大切にして、地域でのペアレント・メンター養成・活動を行っていきたいと思います。